創業

「人とモノ・環境からの発想」

厨房の労働環境の改善とキャリア料理人の受け皿として発足したプロの料理職人集団

昭和60年代、結婚式場の料理長を務めていた初代社長は厨房の労働環境に心を痛めていました。当時、ホテルや結婚式場、レストランの厨房では調理師の人材不足により長時間労働が続いていたからです。
そこで手間のかかる下ごしらえなど調理業務の一部を請け負うシステムがあれば厨房の労働環境の改善につながり、キャリア料理人の受け皿にもなると考えました。こうして昭和63年、プロの料理職人を集めて創業。平成2年に有限会社「鹿祿」を設立しました。

「妥協せず、手間を惜しまず、心を込めた味づくり」

始まりは「茶碗蒸しの具」

鹿祿が最初に取り組んだのは「茶碗蒸しの具」の商品開発でした。
茶碗蒸しは、ホテルや結婚式場では提供頻度の多い料理。厨房では毎日大量に調理されています。しかし茶碗蒸しは具材が多く、下ごしらえに時間と手間がかかり、しかも繊細で高度な味付けが求められます。この一番手間暇のかかる茶碗蒸しの具を冷凍食品にして納品すればホテルや結婚式場では使用するときに解凍して独自の味付けの卵液を注いで調理するだけでお客様に提供でき冷凍なので長期保存もできます。

こうして開発をスタートしましたが、料理のプロに提供するだけに高い完成度が要求されます。
当時流通していた茶碗蒸しの具はドライ処理した食品が多く、戻しても作りたての食感や風味には及びません。そこで鹿祿では、初代社長が説く「妥協せず、手間を惜しまず、心を込めた味づくり」を実践しながら味を追求し、試作を重ねた結果、具材をゼラチンで固めることで食感や 風味の課題を解決。しかも溶けたゼラチンが旨味に変わり、より美味しくなる茶碗蒸しの具を開発しました。

こうして完成した冷凍食品「茶碗蒸しの具」は、高い評価を受け今でも人気のある商品です。またその後、卵液も加えた「茶碗蒸し」も開発、人気商品の一つです。

事業拡大期

「ホテル外食チェーンのセカンドキッチンとして業績を伸ばす」

料理長のレシピを忠実に再現する料理のアウトソーシング

料理職人集団としての実績を積み、その実力が認められるにつれ事業も拡大していきました。
平成4年には県内外のホテル、外食チェーン、食品問屋に進出平成10年からは、ホテル、結婚式場、レストランなどのセントラルキッチン化商品を中心に、オーガニック商品、病院給食、産業給食の商品開発及び提供に続き、おせち料理の製造も開始。平成13年には、下ごしらえなど調理業務の一部や惣菜製造だけでなく、ホテルや割烹、レストランの料理長のレシピを忠実に再現する料理のアウトソーシングを本格的にスタートさせました。
料理のアウトソーシングは、料理職人集団の鹿祿の最も得意とするところです。オーダー通りの商品を提供し全国の高級リゾートホテルやレストランから高い信頼と信用をいただいています。

「病院給食から医療・福祉分野へ」

宮崎工場で病院給食用惣菜の製造を開始

鹿祿では、“おいしく食べて元気に”をモットーに召し上がる方が笑顔で心から楽しめ味わえる病院給食にも注力しています。
平成10 年より医療・福祉施設へ食事サービスを行う業者へ納品を開始し、平成21年には、事業と生産性の拡大を図るため、宮崎県に病院給食用惣菜を製造する工場を立ち上げました。病院給食については取り扱いメーカーが多い中、料理職人監修のもと、おいしく安心・安全な病院給食用惣菜を国内工場で製造している点が認められ、ご好評いただいています。

未来への展望

「丁寧に作られたモノの良さを次世代に」

本物の味を一般家庭にもお届けしたい

鹿祿では「添加物を使用しない」を原則に食材や調味料にこだわり、料理職人がプライドに恥じない、本物の味を追求した商品を提供しています。
丁寧にダシを取り、素材の味を大切にした料理は身体にも心にも優しい味わいです。多様化する食文化の中で本物の味をもっと多くの方にも知ってもらいたいと願っています。
そのために鹿祿では一般家庭向けのオリジナル商品の開発も積極的に取り組み、通信販売事業の強化も進めています。